こんにちは!
管理栄養士のみっこです。
今回は給食会社から病院に転職した私の経験談をお伝えしようと思います。
結論から言えば、タイトルにもある通り私はいいことだけでした!
給食会社にいたことが悪いことだけだったというわけではないですが、詳しく話していこうと思います。
これから給食会社への入社を検討されている方や、給食会社から転職・辞職を検討されている方の参考になればと思います。
そもそも給食会社とは
ここでいう給食会社とは、給食の委託会社のことで業務内容としては病院や老人ホーム、保育園などの献立作成や調理などの給食業務を委託料をもらって行う会社のことです。新卒の栄養士・管理栄養士が入りやすい職場であります。ここでいう入社しやすいというのは、離職率が高いため常に人員不足である現場が多く、そのため常に求人を出している場合が多いということです。私は大学を卒業してから病院や製薬会社に応募していましたがなかなか内定が決まらず、中途半端な時期でしたが給食会社を受けるとすぐに何社も内定を取ることができました。…そういうところです。
ではなぜ給食会社の離職率が高いのでしょう?
給食会社に在籍していた人間として考察してみます。
あくまで個人の感想です。在籍していた給食会社が悪いとこだけであったとかを言っているわけではありませんし、給食会社の良いところももちろんありました。それを踏まえたうえで、お伝えしていきます!
給食会社を辞めたくなった理由4選
- 管理栄養士として成長を感じられない
- 上司(調理師)からのパワハラ
- 調理や洗浄業務などで体力的にきつい
- 給料が安い
1.管理栄養士として成長を感じられない
第1の理由としては「管理栄養士として成長を感じられなかった」ということでした。
大学で学んだ管理栄養士の仕事のイメージでは、病院の患者様に栄養指導したり、保健所で市民の方の栄養相談にのったり、というものが私の中ではありました。しかし、給食会社の、現場栄養士といわれる老人ホームなどの現場での栄養士の仕事は、食材の仕込み(切る)、料理の盛り付け・配膳、食器の洗浄などの単調作業の繰り返しで、自分の親ほどの年齢のパートの方たちと行うというものでした。そのため大学で学んだことを活かすことができず物足りなさがありました。
しかし週に一回は本社に行ってパソコン業務で献立を作成することができましたので、まだ栄養士の仕事をしているという感じはありました。
2.上司(調理師)からのパワハラ
栄養士と調理師あるあるなのですが、調理師は本当にキレやすい人が多く(みんながそういうわけではない)、新卒の栄養士は多くの人が調理師よりも調理能力がなく若いため、献立作成と実際に調理するという立場で言い合いになることがよくあります。…ありました!
普通に話し合いができればよいのですが、本当に調理師の方は(みんながそういうわけではない)怒鳴る、壁を叩く、食器かごを盛り付け台に打ち付ける、などの音での威嚇をされました(私は)。頭が痛くなる、夜どきどきして眠れなくなる(怒りで)、のような健康被害が出ました。聞くと、ほかのパートの方も同じような症状が同じ調理師の方によって起こっていたとのことです。
3.調理や洗浄業務など体力的にきつい
野菜のカットや盛り付け、洗浄作業は数時間同じ姿勢で立ちっぱなしで行うことが多く、股関節や腰が痛くなりました。そこそこの年齢の、(そんな、おじいちゃんとかではない40,50代)調理師さんは腰にコルセットを巻いている方が多かったです。腰痛は調理師さんの持病でした。私は20代の前半でしたがきつかったです。手もカサカサに荒れました。あとは、冬場は外と同じくらいの気温の厨房が多く、そこで半袖の調理着で長時間野菜をカットしたりするため、冬には必ず体調をくずしました。
4.給料が安い
給料は、ぶっちゃけ私のいたところは手取りで16万円くらいでした。
「はあ~、大学で勉強して資格取ったけど別に無資格の事務員とかと変わらないお給料か…」
…ということで大学を管理栄養士専攻で卒業し、資格を取ったにもかかわらず栄養士とは関係のない企業に就職する子も多かったです。
以上、給料会社を辞めたくなった理由4選でした。
あとは休みが少ないとか年中無休の現場が多いため土日祝・盆・正月に休みにくいことをデメリットとして挙げる栄養士の子もいましたが私は非リア充で友達もいなかったためそこまでデメリットに感じませんでした。
私が給食会社に在籍したのは2年半で、老人ホームと知的障害者施設の2現場を経験しました。
辞めたくなった理由を挙げたのですが、ここからさらに落とし込んで辞めようと決意したきっかけをお話ししていきます。給食会社を辞めようか悩んでいる方の参考になればと思います。
私が給食会社を辞める決意をしたきっかけ
私が2つ目の現場の知的障害者施設にいるとき、そこでの給食会社の委託の契約期間が終了し、施設から委託を更新してもらえるか、違う給食会社に委託を変更するか、ということがありました。結果、委託料がほかの給食会社のほうが安かったということが大きな理由で、私のいた給食会社は委託を更新してもらえませんでした。そこでパートさんは新しい給食会社の社員として同じ現場で継続して働くことになったのですが、社員の私は違う現場に移動する(させられる)ことになりました。
移動先として会社から提案された場所は、小学校でした。
以前から応援で来てくれる調理師さんから学校の給食現場はきついと聞いていました。そしてさらに仕事内容が今までは週に一回、本社で献立作成をさせてもらえていましたが、調理と洗浄のみになるとのことでした。
栄養士業務がしたかった私は(そんな仕事嫌だ!!)と内心思いながら、
「そんな、調理なんて私にできるのかしら?」
と直属の上司に聞いたところ
「うん、新しく入ったパートさんとか、誰でもできる仕事だから、大丈夫!」
と言われました。
もっといやだよ、なんで管理栄養士になったのに誰でもできる仕事をしないとあかんねん!それもきついやつ。
加えて私はその時、立ちっぱなしの業務のため股関節を少し傷めていました。
「…あの、私股関節少し傷めていて、学校給食きついって聞いて…大丈夫ですかね?」
上司
「うん、みんなやってるから、大丈夫!!」
とさらりと答えた上司。「もし嫌やったらほかの現場も探すから次来た時言ってね」と言って本社に帰っていきました。上司が次に現場に来るのは1か月後。
ホンマかよ!!と疑いしか持たなかった私はそれまでに応援に来てくれた調理師さん2人に聴き取りを行いました!
「学校給食って、ぶっちゃけ体きついですかね…?」
応援調理師2人
「いやあ~、俺も行っとったけどな、あそこはかがんだまま調理せなあかんし、きついわ!」
「え?小学校?きついきつい!!」
それを聴いた私は、「やっぱり行ってた人がきついって言ってるやん嘘つきーっ!」と次に上司が来る1か月を待たずして電話で、
「すみません、小学校嫌です!!」
上司
「…分かった。」
と言われてほかの現場を提案してくるのを待ちながら返事が来ず、1か月後に現場に顔を出した上司は
「ないから。」
と言いました(少しキレ気味の目で)。
まるで、提案された現場を変えて欲しいというのが非常識とでもいうかのように。自分が変えて欲しかったら言ってねって言ったんやん!
とは思ったものの、日頃の上司の感じからそのような答えが返ってくることも予想していた私は1か月の間に転職活動を行い、内定を得ていたため、怒りながらも落ち着いていました。
当時の私は25歳で給食会社の経験が2年半あり、現場異動で栄養士業務が全くさせてもらえなくなるという辞職するのに十分な理由があったため、転職に困りませんでした。
ここにとどまらないといけない理由は何もない
というわけで私は上司に電話をかけました。
「大変お世話になったのですが、今月末までで辞めさせていただこうかと…」
上司
「それは、移動先が嫌やから?」
私
「そうです!」
上司
「ちょっと待って。」
と言って、上司は以前に
「ないから。」
と言い切ったにもかかわらずほかの現場を二つ提示してきました。
私はもう辞めることはほぼ決めていましたが、一応、応援の調理師さんに提示された現場のことを聞き、やっぱないわと思った私はすぐ上司に
「やっぱ辞めます。」
と電話をかけました。
それを聴いた上司はそうか、と言いながら分かったけど来月も書類の処理だけしに出勤してと言ってきたので
「すみません、もう次のところ内定をもらっていて1日から来てと言われているので、無理です。」
それを聴いた上司は驚いて、もう出勤しろとは言わなくなりました。
…ここまで悪口のようなことばかり書きましたが…本当に、決して悪い人ばかりではなく調理師さんもパートさんもいい人が多く、現場を離れるときは「頑張ってね。」といってお菓子を渡してくれました。
というわけでここからは給食会社にいたメリットとそれでも辞めるべき基準についてお話していきます!
給食会社にいるメリット
- 調理のプロから包丁の使い方や調理のコツや珍しい調理を学べる
- 食べたことも無いようなおいしいものを食べられる
- 食事の原価を考えるようになる
- 処世術を学べる(主に対年上)
- 平日に休める(遊びに行く場所が空いている、転職活動しやすい笑)
1.調理のプロから包丁の使い方や調理のコツや珍しい調理を学べる
私が給食会社に入社したのは22歳の時。
私はずっと実家暮らしで、料理などしませんでした。とても親切な70代後半の調理師さんが
「ワシが一から教えたる」
と言ってありがたいことに持ち方から切り方を教えて下さいました。
「ワシには息子が3人おって、孫が7人おる!」
など、おじいちゃんの楽しいお話を聞きながら包丁講座を受けることができる、素敵な時間でした!その方は15歳で銀座の料亭に見習いとして働きに出て、その時は包丁の使い方など教えてもらえず見ながら技を盗んだとのことでした。その技をタダで教えていただけてとてもありがたかったです。
私はいまだに包丁使いがうまいとは言えませんが、教えていただいたおかげで苦手意識は消え、その後一人暮らしする際にとても役に立ちました。
2.食べたことも無いようなおいしいものを食べられる
これに尽きるのですが、(どんなに変な性格の調理師さんでも)やはりプロで、唐揚げやかき揚げなど、感激するほどおいしかったです!あとはまかないで作りたてを食べられるところが大きかったです。まかないはお給料から1日100円引かれましたが、100円であれだけの量とバランスの良さとおいしさを兼ね備えた食事ができるのはやはり給食会社に勤めるメリットだと感じました。
3.食事の原価を考えるようになる
給食会社の利益の出し方は、私のいた現場では委託料の中からいかに食材の原価を抑えて献立作成するか、無駄のない発注、在庫管理をするかにかかっていました。ですので安い食材で献立の違うもの、例えばもやしの料理のレパートリーが多い、などがありました。そのように原価を抑える感覚や在庫管理の感覚が身に付き、とてもいい経験になりました。あとは外食をした際に原価率のいい悪いを考えるようになり、ここはお得、この値段でこれかー、みたいなことを考えるようになりました。
4.処世術を学べる(主に対年上)
大学を卒業して現場栄養士になった時、私は22歳。周りはおおよそ40代後半から最高で80歳ほど。優しい人もいればクセの強い人もいる。そのバランスによりメンタルと処世術が鍛えられました!(決して今が世渡り上手というわけではなく、最初よりは鍛えられました。)
また、怒りがこみ上げる場合が多かったためアンガーマネージメントの無料講座を受けに行くきっかけとなり、ここから心理学を勉強し始め、それが今の生活や人生にとてもいい影響を与えていると感じています。悩んだときに、どうしたら対処できるかを具体的に考えて行動する癖が付きました。
でもほとんどは優しい方ばかりだったので本当に感謝しています。
ただでさえもともとメンタルが弱いのに、強い人ばかりでは心が折れてしまします。
5.平日に休める(遊びに行く場所が空いている、転職活動しやすい笑)
人々が働いている平日に遊びに行くことができる、これがシフト制勤務のメリットです。どこでもだいたい空いています。テーマパークでさえも…交通費も、宿泊費も安いです。
あとは、転職活動として、ハローワークに行ったり、面接を受けたりが私はしやすかったです。
…ということで給食会社のメリットでした!
ここからは会社を辞めるべきポイントをあげていこうと思います。あくまでも個人の意見ですので参考までにしてご自分でよく考えてください。
会社を辞めるべきポイント
- 体、メンタルに障害が出る
- そこにいても自分の成長を期待できない
1.体、メンタルに障害が出る
私の場合、股関節が痛くなり、さらに体力的にきつい現場へ移動させられそうになりました。あのまま魔の会社にいたら確実に体を壊していたと思います。社員の健康のことなど考えず、文句を言われなければ(言ってさえも)無責任に「大丈夫」という恐ろしい上司がいる場所。そんな場所からは早急に逃げてください。どうせ任されるのは誰にでもできる仕事です。誰にでもできる仕事なんて、ほかに行ってもあります。あとは精神的にもかなりきつかったこともありました。辞めることを決めたときは本当にせいせいとして嬉しかったです。
2.そこにいても自分の成長を期待できない
自分がこれからどうなっていきたいのかと、今している仕事は繋がっているか、職場の周りの人たりはどんな人たちか、例えばネガティブで人の悪口や会社の文句を言っているだけの人ではないか、を自分に問いかけて違うのであればすぐ辞めるまでいかなくても転職活動をしてみるだけでも視野が広がって良いと思います。自分の働ける場所はここだけではないと思うだけでも心の余裕につながります。
たくさん書きましたが病院に行ってよかったことは、1番は学生時代に思い描いていた患者様への栄養指導など栄養士らしい学校で学んだことを活かすことができる仕事ができるようになったことです。コミュニケーション能力や、単なる食事や病気の知識など自分に足りないことをたくさん発見することができたことです。周りの看護師さんや事務の方や上司も優しいため、何かあった時に相談しやすい環境にあります。
以上、私の経験談を長々と書いてしましましたが、これから就職、転職される方の参考になれば幸いです。また何かご質問などあればコメント欄からお願いします。
ではまた!
みっこでした。
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